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トルコの絨毯詐欺師達

以前から興味のあったトルコ。アジアとヨーロッパが融合する場所。繊細で美しいイスラム建築。近くにあって遠い国。ずーっと、いつか行ってみたいなあ、と思うこと数年。同じように、トルコに行ってみたいと言う友人と意気投合して、あれよあれよという間に、気がつけばイスタンブールの地を踏んでました。そんな私達を待ち受けていたものとは...。

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偽善的な男

今回紹介する話は、絨毯屋ではないが、カテゴリーを変えて、掲載することにした。

トルコ滞在中、折角だから、何がなんでも一度はハマムに行ってみたかった。ガイドブックに紹介されているハマムを目指して、友人と歩いていると、一人のトルコ人に声をかけられた。歳は60過ぎぐらいだろうか。

イスタンブール滞在最終日の夜。既に暗くなった夜道を行く私達に彼は、「どこに行くんだい?」と英語で聞いてきた。

行こうとしているハマムが載ってるページを見せると、男は即座に

「そんな所ダメじゃよ。観光客用に値段が高く設定されているからな。歴史も何もあったもんじゃない。しかも、観光客相手だと思って、マッサージも下手なんじゃ。地元民がいく所に行くべきだね。どれ、わしがよく行く所に案内してやろう。」と男は提案する。

「観光客をもてなすのは、トルコの文化的なホスピタリティーなんじゃよ。こうやって旅人と出会って、その後40年以上も友情が続くこともある。それに、トルコ人は日本人が大好きなんじゃ。」

と、楽しげに話す老人に、初めてまともなトルコ人に会ったとばかり、私達もすっかり心を許した。道中、家族のこと、日本のこと、イスタンブール以外にも是非訪れるべき場所、これから友達と夜間のバーベキューをするつもりであること等いろいろ老人が話すのを聞きながら、ハマムへと向かった。

彼の言うハマムは、確かに外観、内装は観光客用の高級ハマムより劣ったが、中には既に数人ハマムを楽しんでいる人たちがいて、値段も良心的だった。しかも、彼はハマムの女主人ととりあえず顔見知りのようで、何やらトルコ語で話していた。

そうして、私達はそこのハマムを利用することにした。

そして、本来なら、このエピソードも、ここで終わるはずだった。感じの良い老人が、地理に詳しくない外国人観光客をわざわざ地元民が行くハマムに連れて行ってくれたという良い思い出として。

しかし、彼は、そこで予想外のことを口にした。

「じゃ、君らのハマム体験が終わった頃に迎えにくるから。」

イヤな予感はした。どうして、わざわざまたこのハマムに私達を迎えにくるのか。近所の友達と今からバーベーキューをするのではなかったのか。

「こうやって出会ったのも何かの縁。深い意味はないんじゃ。ただ、出会いを祝って、一緒にアップルティーを一杯飲みたい。我々の友情も40年以上続くかもしれんじゃろ。ハマムで汗をかいたら失った水分を補給せんとならん。お茶一杯だけでいいんじゃ。」と男は切願する。

正直言って、ハマムの後はその辺で軽く夕食でも食べて、さっさとホテルに戻りたかった。だが、この老人にここまで連れて来てもらったという負い目もあったのだろう。私達は、2時間弱したら、再び老人と会うことを約束した。

ハマムでリラックスした一時を過ごし、髪の毛を乾かしたり、着衣していると、時間通りに男がやってきた。

ハマムの近くに男が経営している店があると言う。私達はそこでアップルティーをご馳走してもらうことになった。

連れて行かれた先は、絨毯屋ではなく、革製品を取り扱っている店だった。店に入り、階段を上り、奥まったところに高そうな皮のソファーが置いてあった。そこに、私達は座り、老人の部下らしき者がアップルティーを運んでくる。

絨毯の代わりに皮のコートが並んでいた。もうお決まりのパターンだった。

男は、さっきまでのフレンドリーな顔とは違って、商人の顔になっていた。

「さて、どんな品物がほしいんじゃね? トルコは良質の皮で有名だからな。良い本物のコートを買っていきなさい。君達はどんな色が好きなんじゃ?」

もううんざりだった。最初から皮コートを売りたければ、そう言えばいい。それを友情だの縁だの言って、本心と意図を隠し、あわよくば観光客に何か買わせてやろう、という魂胆が嫌だった。

そして、何回も何回も懲りずに騙される自分が嫌だった。結局、只より高いものはない、という教訓を最後の最後まで学べなかった。自分の愚かさに気がついた時は、もう最終日の夜だったわけだ。

友人Sは機転を効かせて、「私はショッキングピンクが大好きなんです。すごい派手なピンクのコートがほしい。」とか難しい注文をし、老人撃沈。

私達はそそくさと店を後にした。
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後書き

スルタンアフメットにある絨毯屋が全て詐欺を働いているというつもりはない。絨毯屋だって商売人、売ってなんぼの世界なのは分かる。中には真面目に商売に取り組んでいる人もいるだろう(と思いたい)。ただ、あの手この手を使って絨毯を売ろうとする彼らの手口は汚く、一筋縄では行かない。そういうやり口が気になったので、ブログとして今後イスタンブールの地を訪れる人の目にとまってほしいと思い、私達の旅行中に起こったことを綴ってみた。

私達の場合、前情報として「トルコ人はかなり親日」と聞いていたのも、かえって裏目に出たと思う。これが日本や他の国で起こったなら、そう簡単にはついて行かなかっただろう。フレンドリーな彼らの態度は、カモを見つけた故である。決して、日本人が好きだからではない。もちろん、中には、本当に親日家もいるだろうし、困っている日本人を見れば助けてくれるようなトルコ人こそ親日であって、無理矢理店内に連れ込んだり、強引に何かを買わせたりするような輩が親日な訳はない。

見知らぬ土地でも、「こんにちは」と声をかけられたら、普通の感覚なら「こんにちは」と言って、挨拶するのが常識だろう。だから、親しげに日本語でしゃべりかけてくる相手を無視しろとは言わない。でも、そういう場合は、大抵日本人と仲良くしたいというよりは、何かを売りつけたいと思っている人の方が多いと思う。そうやって旅先で声をかけてくること自体、疑わなければならないのが残念だが。

スルタンアフメットに一週間弱滞在して、私から言えるアドバイスは、「絨毯やキリムを買うつもりがないなら、店には入ってはいけない」である。日本語で挨拶されようが、親切にされようが、それはあくまでも表の顔。一旦、店内に入ってしまったら、形勢は一気に不利になる。お茶一杯のつもりでも、すぐには外に出れない。

ましてや、絨毯に興味がないのなら、彼らに義理立てしてアップルティーを飲む必要もない。それは、時間のロスに他ならない。自分からわざわざ密室に入って、危険な状況に身を置くこともない。

海外に旅行に出ると、どうしても気が大きくなったり、国内では取らないような大胆な行動を取ることもあるだろうと思う。しかし、国外でこそ、自分の身は自分で守らなければならない。今まで、多くの日本人が騙されたり、高価な物を不本意ながら買わされたりしてきた。これ以上、被害者が増えないことを強く願う。




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